....という触れ込みの映画館があるというので、出掛けてみた。
場所はRegent's Park。

目印は黄色らしいが、公園のなかに映画館があるなどとは聞いたこともない...と思いつつ歩くと
果たしてそれはあった。


でーん。 ©SY



うわーたしかに小さいなー。と思いつつ近付いてみると
長さ5mに満たない小さな小屋が、黄色く置いてある。

ボランティアのお姉さんが「次の上映迄しばし御待ちください」と言う。
ドアが開き、前の上映の回のお客が外に出てきた。
その数たったの6名...。

そう、これは在ベルリンのスェーデン人Annika Erikssonの作品、
「The Smallest Cinema in the Wolrd」なのだ。

恐る恐る中に入ってみると、小さな室内に
映画館と同じようなつくりの椅子が6席。
ガチャンとドアが閉まると真っ暗になり、「上映開始」。

この黄色い映画館が設置されているRegent's Park自体で撮影されたという、
子供や若者や親や老人が芝生に座って、それぞれがお喋りを始めたり、
ある者は歌い、ある者はシャボン玉を吹いたり、という
普通で何気ないけれども、それゆえに普遍的な美しさを醸し出している景色が
淡々と上映される。

時間にして5分ばかり。
フィルムが終わるとドアが開いて、外に出された。


実はこのフィルムには副題がある。
「富める者と名声ある者たちへ」。

Regent's ParkはHyde ParkやKensington Gardenと共に王立公園であり
設計段階では当時の富裕層や教養のある者のみが入園を許可される計画だったが
民意の反発を買い入場制限は立ち消えになって、今ではロンドンで最も親しまれている公園の
一つになっている。

Annika Erikssonは、現在もこの公園が無料で誰にでも開かれたものであることに感動し
敬意を表すべくこの作品を作ったという。

BLOCKでも6月号にてロンドンの公園を特集した。
未だ読んでいない方は、ぜひ御覧戴ければ幸いだ。


それにしてもこのAnnika Eriksson、
ロンドンの公園へのオマージュの為にこんな作品を作るなんて、なかなかアツい人だ...