赤軍派に関しては、私は全く関係ないが、一部の方たちには長らく勘違いされていた。
今ならこうして笑い話にできるが、当時の青年には相当なストレスがある日々でもあった。
中学3年の冬。
江川で知られるあそこの特進科を受験した。
と言っても、最初から入るつもりはなかった。
田舎から都会に遊びに行きたかっただけである。
そこの普通科やスポーツ推薦などは比較的簡単な面もあり、田舎中学からも御大尽様の子弟などは何人か合格進学はしていた。
が、特進科は県内最難関の公立を受ける前の、力試し的存在。メチャクチャ難しく、あの県内最難関校合格者でも不合格になるので知られていた。
都会見学の私には合否はどうでもよかった。
ただ、最初の国語の試験がべらぼうに難しく感じたことは覚えている。
田舎中学校では九割以上があたりまえだったが、自己採点では七割も危ない。
が、今考えると試験勉強もせず、かつ私立の試験では素晴らしいものだったろう。
一週間くらい後だろうか。
合格発表が、中学からあった。
へえ、とは思ったが、嬉しいというような感覚はなかった。
周りのが騒いでいる。
特進科の一次試験合格は、田舎学校初だったらしい。
そんな発表があってすぐ、私は校長室に呼ばれた。
皆があそこの学校の話だとざわつく。
が!
校長室で待っていたのは、いかつい警察二人組だった。
(つづく)