前回は江戸末期1859年だった。
多分フレアの地球直撃は、人類文明が生まれて数百回はあっただろう。
しかし、原始社会ならほとんど人類には影響がなかった。
せいぜい、ハワイや日本でオーロラが現れ、庶民を驚かせた程度だった。
アメリカで電話異常が出ただけだった。
が、現代にフレア直撃を受けたら事態は一変する。
1989年にやや大きなフレア直撃を受けただけで、カナダでは大停電になり、アメリカの気象データは飛んだ。
これはまだコンピュータ時代以前であり、まだ巨大フレア直撃ではなかったから、この程度ですんだ。
が、今やコンピュータは家電から車まで、ほとんどすべての電機に使われている。
実は数年前に1859クラスフレアが地球方面に飛び、日本ではマスコミが流さなかったが、アメリカ天文学界ではパニック状態になりそうになったことがある。
幸い、推測ルートより数度ズレて、地球文明最期の日にはならなかった。
太陽の巨大フレアは何度か地球を襲っているから、それ自体は危険ではないだろう。
が、コンピュータ社会になっている日本など所謂先進国では、影響は多大だ。
最悪の場合を考えてみよう。
コンピュータ関連機器はすべてダメになる。
例えばGPSは使えなくなり、飛行機は大半が墜落する。
携帯やパソコンが使えなくなり、発狂者が続出する。
家電も使えないし水も出なくなり、ほとんどの先進国民は飢餓状態になり、都会などでは犯罪が増加する。
変電機器などが燃え上がるが、消すすべが無い。
工作機械を作ろうにも、電気も技術も知識もない。
日本などでは、ヒーターやクーラー無しの生活に発狂者が出る。
いや、その前に、スマホ無し生活に耐えられ無い人が増えてくる。
車は単なる物置になるが、動かないから意味が無い。
ただし、これを喜ぶ人もいそうだ。
かつてある人が冗談で、ローンもパーになると笑っていた。
しかし、庭のない都会では、明日飯や水をどうしたらよいかのが重要だろう。
数十年後の地球表層の冬より、こちらのがはるかにこわい。
今の人類は、まだ対策ができないと考えている。
アメリカ地下深くにある、臨時大統領執務室などを除いて。