今村復興大臣が、福島の避難民に関しての質問に激高したことが話題になっている。
その理由を考えてみた。
表面的なことは、簡単に推測できる。
それは、質問者の非礼な態度だ。
が、それは小学四年生までの見方だろう。
あそこまで怒ったのには、あと少し深い訳があるに違いない。
そのあたりを、原発事故調査委員会資料などを参考に考えてみた。
原発事故にて、避難指示系統は、本部長つまり事故時の首相が責任者である。
が、当時の官邸などは被害を隠匿していた。
避難指示をすべき首相は、管理能力不足だけではなく、原発現場を邪魔するような行為をしていた。
原発事故の際の風向と放射性物質飛散予測さえ隠し、一部報道機関に規制をしていた。
ただちに問題はない、との迷言を発し、NHK報道まで報道規制をかけていた雰囲気もある。
当時官邸の補佐をしていた武田教授によれば、風向予測などは分かっていたらしい。
国際原子力機関などには、データを送っていたらしい。
確かに、少し後で発行された原子力専門誌には、正確そうに見える図が出ていて驚いた記憶がある。
が、チェルノブイリ原発事故でさえ数千台出たバス移動が、福島ではほとんどなされていなかった。
一部バス移動をしたものの、低線量地域から高線量地域への移動指示に代表されるように、トンチンカンなものが多かった。
だから、大臣としては、民主党がポンコツだからこうなった、と言いたい。
が、政権が変わっても政府の責任であることに変わりはない。
こうしたジレンマが、あの腹立ちになったのだろう。
森友学園問題と同じだ。
最初に餌を撒いたのは、お前たちだろうとは言えない。