【判断】断念 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。

高校2年生の夏だったと思う。
学校の引率で尾瀬旅行をしたことがある。

初日の燧ヶ岳登山は、快晴の中素晴らしいものだった。
その夜は、大田原女子高生らとワクワクのキャンプファイアー。

が、次の日は、いかにも尾瀬らしい、朝からの土砂降り。
サッカーの授業は、雷ガラゴロの中ずぶ濡れになっても続けるのが当然だった。
その朝も、私たちは至仏山目指して歩みを進めた。

が、高木が消えるあたりで、引率の先生が決断を下した。
登山断念である。
落雷を避けられない草地登山は危険だとしたのだ。

小学生の時に、目の前で落雷による生木発火を見ていた私には、極めて不満の残る決断だった。

が、今思うと、あの先生は偉かったなと思う。

私たちの意見を無視し、断念を決断した。

今回の事故を耳にして、コマクサを初めて見た感動、シブツウスユキソウを見られなかった悔しさが、当時の気持ちとともに甦ってきた。