バスが管理塔に着いた。
徹夜明けの作業員等が、玄関で列を作っている。
ガイガーカウンター調査と洗浄を待っていたのである。
皆が疲れ切った背中をしていた。
そんな中、大声が響いた。
俺が何のために来たと思っているのだ。
ディズニーランドに並ぶわけじゃない!
作業員らのは、白い目で変な来訪者を見た。
肩を威からせた老人がわめいている。
随行の所員らしい輩は、うなだれていた。
このシーンは多数が見ていたが、一部マスコミは無視した。
腹の大きさが顕著に分かる言動だった。
福岡は初めて、仲宗根の瞑想する境地が少し分かったと懐述している。
この時ほど、指令官の挿げ替えを熱望したことはなかった。
同じ仲間であることに恥を感じた。
大名気分でやって来た太宰が所長の吉岡に聞いたことは、中三でさえ分かる内容。
あのおっさんは何なのだ?と吉岡を呆れさせた。
この間にも、原子炉内圧は上昇し続けていた。