残念なニュースを聞いた。
隣国で迷子になった珍しい輸入犬を食べてしまい、批判が相次いでいるとのこと。
これには、食べてしまった人に同情してしまう。
私も生まれて唯一見た犬を食う風習。
これには驚くというより、涙が出そうになった。
犬を食うなど頭にはないことだったからだ。
しかし、食べてしまった人を批判だけしてよいものだろうか。
かの国では、犬は食い物だと教わってきた。
はえある文化なのだ。
今だけの、都会の、あるいは日本の感覚だけで考えていいのだろうか。
もちろん目の前で犬を食おうなどと言う話があったら反対する。
また、私の印象も犬を食うなど考えられない暴挙だ。
が、じゃあ、ウサギを食うことは?
鳩を食うことは?
いやいや、牛や豚を食うことは?
うなぎは?
ウサギや鳩は、フランスなど西洋では食材として当たり前。
牛を食うなど、バラモンの教えではあり得ないこと。
豚を食うことは、ムスリムには人を食うことより罪かも知れない。
うなぎなどは、教えを守るユダヤの民には食えない。
彼らにとって、牛、豚、うなぎを食うことは犬を食うことより罪深いだろう。
羊などはムスリムの禁忌肉ではないが、ハラールなしで客人に羊肉を出したりして、出され客人が接待した主人を殺す事件となり、殺人者は無罪ということも地域によってはあるだろう。
日本人には、何がなんだかわからないだろうが。
実際、似た事件もあった。
温かく接待したつもりが、知識不足で悲惨な目にあうこともある。
だから、珍しい迷子の輸入犬を食ってしまっても、一方的に野蛮だと批判するのは少しピントがずれているかも知れない。
感情的には許せない行為だが。
目の前に白蛇が現れたので殺してしまった。
これだと、都会ではニュースにならないかも知れない。
が、ある地域で白蛇は神の使いであり、尊重すべき対象だったりする。殺すなど罰当たりなことだ。
信州あたりや山口あたりの一地方には、そんな風習が残っていたりする。
だが、日本の象徴だからとして、罪のない犬や雉を殴り殺すのは言語道断だろう。
外交官たる通信史が鶏を盗むのも問題外。
そう思う。