1年ぶりくらいに大都会に出た。
汽笛一声のあの機関車が飾ってある街である。
癌の可能性3割とかで、NMR検査を受けることになった。
が、あやしい影はあるものの判定がつかない。
生検しないと分からない。
とか、言われた。
ど素人の私が見ても、やはりよく分からない画像だ。
いや、面倒だから遠慮しますわいとなって、予定通り久々の会合に出た。
最初は豊洲問題やらリンゲル問題病院の話になった。
で、豊洲はあれだなと一番の先輩(とは言っても数個上だけ)が言い、皆があああれですよねとなる。
リンゲル病院も、まああれだわなという話になり、日本語として通じないが皆さんははーん、という顔だ。
6人集まったが、私だけ30年くらい前までの仲間。
とはいえ、話題は40年前のJALパック旅行の話に飛び火する。
だいたいスペイン語読みにするあたりが、問題だ。
その旅行企画者である今回は見えなかった某先輩も、毎回のように話題にしているらしい。
まあ、割と最近、子会社社長になった方からも皮肉を言われて驚いたが。
あれは過去。
暴れん坊やは、今はどこを見る影。
朝でさえ、紳士になって小さく隠れている。
泣いたろか!
いや、いつもボヤいているけど。
で、そのコンテスト旅行については、私は忘れたことにした。
もちろん、誰も信じていないがね。
時々ここにコメントくださる悪友は、忙しそうだが、覗いてくれてはいるらしい。
最近、政治などという専門外の話が多いしなあ。
で、そうでなくとも足元がふらつくのに、わずかとはいえアルコールが入ったから、帰り道があやしい。
近道の地下道を教えてもらったが、周りに人影がなくなる。
と、梔子の香りを纏った蝶々が脇を通りヒラヒラと舞っている。
何とはなしになしにふらつく足で、跡についた。
途中で妖艶な蝶は見えなくなったが、なんとか無事有楽町駅についた。
汽車ポッポのあるあたりから、かなり歩いた気がしたが、気のせいかも知れない。
しかし、さすがに大都会。雨を小粒の真珠にしてしまう街である。
梔子の香りを纏った蝶がいたりする。
あの匂いは、金木犀以上に危険なやつだろう。
が、病人を長い距離歩かせるのだから、何らかの薬効があるのやも知れない。
えっ?
そんなのはお前のような能天気だけだって?
言わんといてぇな~。