東京から東北新幹線に乗って、仙台に着く数分前。
つまり、仙台到着を知らせるアナウンスが流れる直前。
進行方向左手、長町付近の街並みの中から、富士山に似た山を一瞬見ることができる。
仙台の1つの区の名前にもなっている、太白山だ。
おそらくこれは、漢や唐などから伝わった山の名前だろうが、朝鮮半島で最も有名な聖山も、かつては太白山と呼ばれていた。
今でいう白頭山(ペクトサン)または、中国名長白山(チャンパイシャン)である。
≪ごく最近作られた北朝鮮の伝説≫では、将軍様生誕ゆかりの地である。
一方、≪700年くらい前に書かれた歴史風伝説寓話≫では、金家、朴家などの先祖生誕にも深く関わる山だ。
山頂には天池というカルデラ湖がある、中華人民共和国と朝鮮民主主義人民共和国との国境にあり、領土問題がある場所に位置する。
天池付近は、年の7割は氷と雪の世界で、極寒時にはマイナス50度近くになる。
山麓は高麗人参または長白山人参の自生地であり、中華人民共和国では、共和国家となった今でも、天然七年ものを採集する際には古式にのっとった催事を行い、山の神の許しを得るという。
栽培物と自生物では、成分に大差はないようだが、≪自生物≫は格が違い高値で取引されるという。
大陸内部にある火山として特異な存在だが、ごく最近火山のあるメカニズムが解明されつつある。
20世紀末から、近々の噴火をおそれる声があり、ロシアや中華人民共和国はかなり気にしているようだ、
北朝鮮の場合は、日本の大学などに調査依頼していたようだが、最近の情勢から話は流れそうだ。
白頭山は、100年から200年間隔で噴火があるが、約1100年前の噴火は紀元後最大といわれる破壊的大噴火をしている。
山から数十キロ離れた満州地域の窪地で数メートル、北日本や北海道でも10~20センチの火山灰堆積が確認されている。
この時の噴火規模は、フィリピンのアメリカ基地を放棄せざるを得なくなり中華人民共和国の南シナ海侵略の原因となった、あるいは日本へのジャパ行きさんの一因でもある、ピナツゥボ噴火の10倍。
山の上の方全体を吹き飛ばし山容が変わってしまったセントヘレンズ噴火の100倍。
戦後日本の噴火で、最悪の犠牲者を出した御岳山の100万倍。
と、極めて巨大であった。
仮に、これと同等の噴火が起きると、東アジアのみならず、全世界の生物に影響を及ぼす。
そこまでの規模にはならなくとも、白頭山噴火はかなり近いかも知れない。
一部では、30年内の噴火確率9割以上という人もいる。