日本では仏教が入る以前、少なくとも3世紀には、動物愛護の精神があったと考えられます。
3世紀に書かれた魏の書物には、犬を家族として扱っている倭人の記事がありますが、 墓まで作って供養しています。
隣国では、煮立ったドラム缶に犬を入れたりしている。
文化の違いとは言え、目の前で狆(ちん)がドラム缶に入れられたのを見たのはショックであった。
どぶネズミのしっぽを縛った生まれたばかりの子ネズミペットにも、開いた口が塞がらなかった。
まだ、海外経験がほとんどなかった頃の話である。
そうしたものを目にして、外交特使である通信使が、鶏を盗んでいる絵も納得ができた。
馬に対する愛情も特筆すべきだろう。
私が子どもの頃は、親戚の家の中に馬小屋があり、馬もまた家族であった。
全国に見られる懲馬碑もまた、馬への愛情が感じられる。
今昔などでは、狐は神の使いとして大切に扱われている。
三峰山のように、狼は大神であり、崇拝の対象ですらあった。
狼を害獣として駆除したのは、西欧文化が入ってきた明治からである。
そのため、日本から狼が絶滅し、鹿などの野菜を食い荒らす事態となり、鹿の駆除さえ当たり前になってしまっている。
仏教以前に、日本には野生動物も仲間であるという慣習があった。
それが、どこか別の方向に走っている気がしてならない。
★次回に続けばいいなあ。