【現代日本食事情】名前は同じだが、別物リスト | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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昨日蕎麦のところで書いたように、今の日本は相当言葉が乱れている。

その理由の主なものは営業的なものだと思うが、実に残念だ。


病院生活での食生活は実につつましい。

が、今回は新しい境地を開いてくれた。


と同時に、現在の日本食生活のむなしさも考えさせられた。


かなりの場合、今の日本人は、商品名が原材料と直接関係しいていると勘違いしている。


でも実際は、名前は商品名であり原味料とはほとんど関係ない場合が、かなり多い。


そんな例を挙げてみよう。



★蕎麦

 ほとんどの場合、そば粉9割以上というそばは少ない。

市販品には、ほとんどがうどん粉などであり、そば粉3割などというものもありそうだ。

これは著名店だから、うどん主体のそばではないとは言い切れない。


だいたいが、小麦粉やとろろをつなぎとして使っており、市販されている十割蕎麦という商品もありこれはそば粉を多く使っているものの、その粉は全粉一緒に脱穀したか、二番・三番粉であろう。

市販品はかなり色がついている。つまり蕎麦粉の純白色ではない。


私の慣れ親しんだ、田舎そば粉の色と味がする。





★カタクリ粉(片栗粉)

これは、私はたぶん食べたことがない。

中華料理などに使われる商品名・カタクリ粉は、ジャガイモなどのでんぷん由来である。

だいたい今カタクリ粉などを造ろうとしたら、お縄になるか、100gで1万円以上になるだろう。








★葛餅、くず粉、葛切り


片栗粉ほどではないが、奈良や和歌山付近の地域を除いて、まず口に入らない。

仮に口に入っても、原産地は国内ではないことが多いだろう、

これは、奈良や和歌山で出される葛餅の場合も同じかもしれない。


市販品の葛餅などは、ほかのでんぷんを主原料にした商品名・葛餅である場合が大半である。




★ししゃも

これは、ほとんどの方が知っているかもしれない。

スーパーなど買える、1パック10匹入り200円などというシシャモは商品名である。

釧路付近の方には常識だろうが、あの魚はシシャモではない。






★トマト

これは、今も昔も同じものを指すかもしれない。

しかし、高齢者の方ならばかなりの割合から同意いただけると思うが、現在スーパーなどにはトマトは売っていない。

売っているのは、トマトという名前のトマト味のない商品である。




★とろろ芋

就職して以来、スーパーや居酒屋でとろろ芋の味と粘りをした食品を買ったり食べた記憶がない。

たぶん、今の日本にはほとんどないのだろう。





★セリ

正月7日に売っている七草粥セットに入っている1~2本以外は、舞う口に入らないし、あんな量では味もわからない。

昔は田舎の田んぼなら当たり前にあったが、いまはなかなか見つからないし、スーパーで売っているのを見たことがない。

スーパーにある商品名セリは、私にとっては何だかよくわからない草である。






★タラノメ

都会のスーパーでも並ぶことが多いが、あれは棘のない品種改良品であることが多い。

棘もなくなったが、旨味も相当失われた。

山村で売っている自然のタラノメとは、ずいぶん味の深みが違う。




★名前だけではない、無調整牛乳

私は川渡で一度しか飲んだことはないが、一生忘れられないほど旨かった。

あれを飲むと、市販品はがっかりとなるが、貧乏人はそれで我慢するしかない。