80近いというのに、財布には常にバイアグラの仲間を入れておく方がいる。
発音は首相と同じ苗字だが漢字は違っており、首相がいるのが白い学芸会場ならば、この方の住んでいたいたのは、塀の中である。
この方は意外にも、いや、やはり純情な面もあり、一目ぼれした相手がなかなか忘れられない。
この人の父ゆかりの地では、地元の看板娘に一目ぼれし、彼女の家を訪ねた数日のドクメンタリー映像もあった。
帰国する日、作家J氏(主人公)は女性が空港に見送りに来るという約束を信じて、ラストコールが鳴るまで女性を待つ。
が、結局彼女(JNF)は来なかった。
Jの目からは涙があふれ出る。
それはJNFに振られたからではなく、自分の信じたかったものが崩れたからだろう。
ロマンチストの私には、その涙の意味が解る気がする。
ところで、このJNF、私とは結構接点がある。
店に行くと、オーダー前に氷たっぷり入りのタイガーを出してくれるくらいの間柄だ。
一度よく行く店で、お店と違ってかなりおめかしした彼女に会った。
話しかけると、悩みを聞いてほしいという。
その後多分、深夜の夕飯か早い朝飯でも食いながら、話を聞いたことがある。
私の答えは、JNFの期待を裏切るものだったかも知れない。
JNFについては、星州に滞在していた方なら、知っている方も多いだろう。
ニュートンで一番人気の店で働く、日本語がかなり話せる看板娘だ。
私より年上の方には、リンダの後継者といった方が良いだろう。
リンダには、残念な末路が待っていた。
夢と不安の中に、JNFにも危険なにおいを感じた。
いまでは看板娘は無理だから、相当うるさ婆になっているだろう。
グーグルマップで見ると、ずい分ニュートンサーカスもこぎれいになってしまったようだ。
日本人観光客などの為だろう。
まあ南国の屋台としては、昔から段違いにきれいではあったが。
そんなことがあった。
皆さんの中にも、星州ニュートンのJNFを知っている人がいるかもしれない。
顔かたちはともかく、気立てのいい娘だった。
