以前縄文海進に関して記事を書いたが、これに関して疑義が出た。
http://ameblo.jp/blob-shima-jiiya/entry-11996099108.html
大変うれしいことだ。
私の書き方にも問題があった。
そこで、あと少し詳しく縄文海進に関して説明したい。
その方は、縄文海進は2~3メートル程度であるとおっしゃった。
私は、50m位と書いている。
これは双方とも正しく、双方とも間違いだ。
と言うのは、縄文海進の際には、地球全体の平均では2~3m位海水が上昇している。
また、関東付近では、海水が50m位陸地に入り込んでいる。
と考えると、双方とも正しい。
これはどういうことかと言うと、簡単に図示すれば下記のようになる。
図1(海進前)
大きな船に氷の塊が乗っている。
氷の重みで、船は海の中に沈んでいる(底の赤い部分が見えない)。
図2(海進後)
船の氷が解けて、水面が上昇した。島の根元が海の中になる。
一方船は氷の重みがなくなったので、底が上昇する(船の赤い底が見える)。
島は一部海の中へ沈む。
これを、地球全体で考えてみよう。
海進によって、海上に出ている部分は島では減ったが、船では増加した。
全体では、島の海上に出ている部分は減ったが、船では逆に増えた。
この船にあたるのが、南極、スウェーデンやフィンランド、グリーンランド、北米など極地方である。
つまり、極地方は隆起した。
一方、島にあたるのが、中緯度・低緯度地方である。
地球の自転の為、解けた水は赤道地方で増える可能性がある。
場所によっては、100mくらい海が陸地に入り込んできた可能性がある。
日本あたりでは、それが50m程度と推測できる。
調べてみると、Wikipediaなどでも縄文海進で2~3m海面が上昇とあった。(←地球平均で)
これは、ある時代の気温が平均で2~3度上昇と言うのにも少し似ている。
地球全体の平均を、地球全体に当てはめてはならない。
場所によっては、20度くらい上昇したところもある。
寒くなったところもある。
気温と海進を同じように考えてはいけないが、比較的分かり易いかもしれない。
なお、海進を考えるときは、当然ながら現在の地形の等高線で区切るやり方は非科学的だろう。
現在の地形は、隆起・沈降だけでなく堆積によって大きく変化している。
ただし、非常に狭い範囲に限ったなら、このやりかたおよその見当はつく。
が、それを全地球的なものとして考えることは、上の船の図からも明らかだろう。
このあたりはWikipediaでさえ、熟読すれば、ほぼ同じことが書いてあると分かる。
繰り返すと、縄文海進というのは日本と同じ程度の緯度の地域付近で考えるべきもので、高緯度地方では全く逆の現象が現れるのは、当然のことであろう。
低緯度では、さらに激しい海進があったろう。