【とある寓話】荷干友達約束 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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荷さんも干さんも、仲直りしたらどうだん米。

そやな、そろそろ仲直りすっぺ。
ほんじゃあ、握手。


ばが言わねえでくんろ。 おら、下働きですごく辛れえ思いしただ。ただじゃあ、仲直りなんざしね。



ほな、うちが建てた別荘、全部上げますよ。


足らねえな。


それじゃあ、うちが作った水車小屋も野球場も上げますよ。


うにゃ、足らねえな。



それじゃあ、新しく開拓した新田も、全部上げますよ。

まだまだ足らね。



それじゃあ、どうしろと。もう、そっちに作ったの、ぜーんぶ上げるって言っているのに。


生活費がいるな。


はあ?


はあ、じゃねえ。
2000万にまけてやらあ。


そんな殺生な。
お宅さんの生活費は、1年で350万くらいのはず。
それに、うちは退職金いれても2000万もありませんよ。


じゃっからしい。
とにかく用意しろ。
そしたら、仲間んなってやっていいや。


それじゃあ、1100万まではなんとかします。
でも、約束してください。
これっきりですよ。
後になって、また金都合とかは無しですからね。
それから、お宅のお子さんたちにはお菓子を買ってやってくださいね。さらに、乳母さんたちにもあんころもちを買って与えてくださいね。


分かった、分かった。









が、結局、しばらくするとお金を使い果たし、またせびりにきました。

ひどいことに、約束を守らず子どもや乳母さんたちには、何も買ってやっていません。

そればかりか、乳母さんたちへあんころもちを買ってやれ!と、自分で酒に使ってしまったことを棚に上げ大声を出しています。



本当に困った隣人です。