昨日の煙ジェット機に続き、またまたイギリスの話。
と言ってもこれは飛行機自体ではなく、空港の話。
かつ、大いに私自身に問題があったもの。
過去記事で少し触れたりしていますが、あと少し詳しく綴っていきます。
★テロリストと間違われたこと
第一次イラ・イラ戦争中のことだったと思う。
気付かなかったが、今考えるとヒースロー空港もそれなりの警備をしていたのだろう。
こんなことがあった。
南回りの機内食のせいかどうかは分からないが、乗り換え便を待っている間にお腹が変調を訴えた。
トイレは、少し先の見えるところにある。
いささか長くなる滞在だというだけでなく、厳寒時にはー20度を下回ることもある場所に行くと知っていたから、大きなサムソナイトのかばんには目一杯荷物が詰まっており、それを引いていくのがもどかしく感じられた。
今思えば無謀な話だが、私はそれを待合室の床に置いたままトイレに急ぎ足で向った。
いや、駆け足に近かったかもしれない。
と、急に体の自由を奪われた。
屈強な男に羽交い絞めにされたのである。
もう一人の男も、脇から手を抑え込んだ。
何か、固いものが脇腹あたりにあたっている。
これも赤いパスポートのおかげで忠告を受けて無罪放免となったが、私はテロリストと間違えられたようだった。
そりゃそうだろう。
かばんを置いて駆け出したら、中に爆発物が入っていると思われて当たり前だ。
だいたい、荷物を置きっぱなしにしていく行為自体が非常識だ。
そんなことをしたら、数分で荷物が消える。
荷物を置きっぱなしにするのは、爆発物を入れたもの以外に考えられない。
と、今なら考えられる。
が、そのころはまだ、平和安全な日本感覚でトイレに行ってしまったのだった。
危ないことをした。
場所によっては、足あたりに鉛の玉を入れられてもおかしくはなかっただろう。
またまた、日本の能天気なくらいな安全と、赤いパスポートのありがたみを実感した。