カカボラジ
先日ASEANの会議などがあり、オバマさんや安倍さんも訪れ、アウンサンスーチーでも知られるミャンマー。
ミャンマーといったなら、熱帯のジャングルなどをイメージされる方も多いのではないだろうか。
確かに南部の平地はサバナ気候や熱帯雨林。ジャングルもある。
が、北部にはヒマラヤからつながる険峻な山々が座っている。
その代表であるカカボラジは、21世紀の今もほとんど登頂されていない、見方によってはエベレスト級の恐ろしい山だ。
とにかく、初登頂は1996年。
日本人・尾崎隆とシェルパによるものだ。
この功績で尾崎は、第1回植村直己冒険賞を受賞しているが、のちにエベレストで命を落とすことになる。
この山の登攀は、想像を絶する。
まずは、道なき道、毒蛇や毒虫のたくさんいるジャングルの中を1か月近く歩いて、やっとベースキャンプらしい。
ここの調査に訪れた爬虫類専門家が、毒蛇に噛まれて亡くなったりしている。
ベースキャンプまでもまた、とんでもない危険が待っているわけだ。
さらに、カカボラジに登り始めると、今度は極寒の世界。
氷河とゴツゴツした岩場、崩れやすい垂直な断崖である。
この山の登頂成功者は、いまだにほとんどいないようだ。
特に、ヨーロッパ人には遠慮されているらしい。
この夏も遭難騒ぎがあり、一部では話題になっている。
★データ
カカボラジ 標高 5,881m程度
ミャンマー ヒマラヤ山脈東端