【小説】逸ノ城会話 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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いやあ、逸ノ城すごいね。


うん。まさか小結を飛び越して関脇とは。


立派なものだねえ。


そうだね。でも、日本の力士がいないのは寂しいね。


おいおい、変なことを言うなよ。


いや、人種差別とかしてるわけじゃあないんだけど。国技上位に日本人が少ないのが寂しいのさ。


それは違うよ。お相撲というのは、古代から国際競技だったはずだぜ。


えっつ。冗談はよせよ。相撲はれっきとした日本人の競技だった。


いや、違うな。

相撲の衣装はマオリ族のもの。

取っ組み合って神の信託を得るのは、へブル族のもの。

判定の決まりはモンゴルのもの。


わけのわからないことを言うやっちゃな。


関取は、江戸時代でさえ札なしで関所を渡れた。

日本人とかいう、狭い決まりにはとらわれない古代からの習わしだ。

だから、今の姿こそ国技にふさわしいんだよ。

それほど日本人は外国人に寛容だった。

ただし、実力があることが基本であり、口先だけではだめだが。

日本人の寛容さ。

それは、Y染色体の遺伝子構成からも推測できる。

大陸や半島、あるいは欧米のような民族迫害・絶滅への歴史は薄い。

アイヌ・琉球人への迫害に関して、変な話を作っている輩もいるが。

相撲とは、まさに日本人的なスポーツだったし、今もそうなのさ。


おめえさん話は、時々さっぱりわがんなぐなる。

まあ、とにかく逸ノ城めでてえな。


ああ、そうだな。