追記有り【グーグル百名山】27;ピナツゥボ山 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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1991年。

あのアメリカ合衆国の軍隊が、尻尾を巻いて逃げだした。

相手はロシアでも、火星人でもない。

また、平和憲法を守る会でもなければ、慰安婦像を各州に建設する会でも、関西のおばちゃんでもない。


フィリピン・ピナツゥボ山である。


この噴火で、アメリカ軍はフィリピンから全面撤退せざるを得なくなったのだ。

1991年の噴火は、20世紀最大であるといわれ、その火山灰からできた雲は12万平方km以上に及んだ。日本国土の1/3が火山灰からできた雲に覆われたといってよい。

雲といっても、薄曇りなどではない。ルソン島などは、ほとんど漆黒の闇である。

降灰は、マレーシアからベトナム、さらにはカンボジアまで達している。


この噴火は、前回記したクラカタウ以来最大の噴火で、元の山の幅2.5km、高さ259mが吹き飛ばされた。

その噴出量は10立法km(東京ドーム800個分)。

北半球の平均気温を0.6度、地球全体の平均気温を0.4度下げたといわれている。


ただ、事前に噴火予測をしていたので、山の近くの住人は皆逃げていた。

が、数百名の犠牲者を出している。

これは降灰があまりにも多く、その灰の重みで家がつぶれて圧死した場合が多いようである。


伝説では、ピナツゥボの噴火はあったようだが、実際に噴火したのは400年ぶりらしい。

地球にとっては、瞬きする程度の間隔・感覚だろう。


追記

6世紀のクラカタウ噴火は、大陸や半島から日本への移動、つまり渡来人を増加させた。

また、19世紀末のクラカタウ噴火は、日韓併合前にあった朝鮮を保護国とする遠因となった。

このピナツゥボの噴火は、いわゆるじゃぱゆきさんの急増と関係するかもしれない。




★データ

ピナツゥボ山  標高 1,486m(噴火前 1,745m)

フィリピン・ルソン島

最近の噴火 1,991年(20世紀最大)