アイガー
山に興味がない人でも、アイガー北壁という名前は聞いたことがある人が多いのではないだろうか。
かつてはマスコミをにぎあわした、恐怖の崖だ。
アイガー北壁は、ヨーロッパアルプスでは大変登攀が難しい北壁の代表で、多くの命を奪っている。
その崖の高さ1800m。
グランドジョラス北壁、マッターホルン北壁と合わせて、三大北壁と呼ばれている。
特にアイガー北壁は死亡率が多く、一時は登攀が禁止されたこともある。
その過酷な登攀や事故は小説や映画の題材となっており、石原慎太郎氏も小説を書いている。
この三大北壁すべての冬季単独登頂を世界で最初に果たしたのは、長谷川恒夫。
日本人である。
長谷川は、多くの登攀記録を作っており、日本山岳耐久レースは長谷川を記念して創立されたものであり、ハセツネCUPとも呼ばれている。
長谷川は世界を代表するクライマーとなったが、パキスタンの未踏峰登攀中に雪崩に巻き込まれ、遭難死してしまった。
世界トップクラスのクライマーで長寿、天命をまっとうできる方は多くはない。
仮に長生きできても、手足の指の、5本や10本を失うことはよくある。
凍傷のために、もっとも冷えやすい指が壊疽してしまうのである。
私など-30度程度で膝が曲がらなくなった。こうした山々に登れる人は驚異である。
★データ
アイガー 標高 3,970m
スイス
アイガー北壁は、アルプス三大北壁の代表(初期死亡率25%程度)