オソルノ山
富士山に似た山が世界中に多くあることはアグア山のところで述べているが、富士山のような火山を成層火山という。
何度も繰り返される噴火による噴出物がきれいに重なり、いわゆる富士山型の三角錐の山となっていく。
その頂上には大きな噴火口があるため、遠くから見ると三角錐の頭部分を切ったように平坦に見えることが多い。
成層火山は基本的にそうした形になることが多いから、富士山似の山が多数存在することとなる。
しかしながら、富士山もそうだが、現実には横腹から噴火したりして左右対称でなかったり、頂上が噴火で吹き飛ばされ頂上が2つあるように見える磐梯山のような形の山になってしまったり、いろいろなパターンがある。
そうした成層火山の中では、もっとも理想的な形に近い山が、このオソルノ山。
通称・チリ富士だろう。
富士山は、静岡側から見る場合と山梨側から見る場合では、微妙に形が異なる。
また、ある方角からは、ピラミッドのように天辺がとがって見える。
しかし、このオソルノ山は、どの方角から見てもほとんど同じ形に見えるだろう。
日本とは因縁の深いプエルモントからわずか30kmのところにあり、一部の日本人にはなじみの山かもしれない。
明治初頭の噴以来目立った活動はしていないようだが、それ以前は30年に1度は噴火していた非常に活発な火山のようだ。
★データ
オソルノ山 (通称;チリ富士) 標高 2,660m
チリ・アンデス山脈南方
最新噴火;1869年(それ以前は、記録に残るところでは30年に1度程度の噴火)