NHKの報道なのであらかじめ片側の眉を洗ってから見たのだが、災害を速急に把握するためTwitterなどの言葉を検索し、これを災害防止に役立てる試みを始めるという報道をかなり時間をかけて流していた。
ひねた私などは、ああ、またお友だち紹介ニュースだなと受け止めた。
いかにもうさんくさい、ビットコインや暗証番号を変える報道と同類と考えたわけだ。あるいは、大久保あたりの落書き掃除報道と同じだなと。
さて、その中でこんな話が例として出てきた。
呟きなどから、『ヤバイ』という言葉を拾うというのだ。
この試みは、20年以上前なら確かに何らかの意味があったかも知れない。
しかし、今はどうなんですかね。
日本語のヤバイが、肯定的内容に使われている現在。ずいぶんと時代遅れを感じた。
ヤバイ美味い!
も拾ってしまうだろう。
ところで、ヤバイは『矢場い』からの派生という説が有力だ。
一方で、日ユ同祖論者などの中には、ヤバイはヤーベつまりヤハウェ由来とする説もある。
ヤハウェとはユダヤ教の神の名前だ。日本の一部宗教では、まだヘブライ語研究がほとんどなされいなかった頃に西洋人が誤って読んだ、エホバという言い方を使っている。いや、その宗教関係者に限らず、日本ではヤハウェやヤーベより、エホバの方が一般的なのかもしれない。
ヘブライ語は基本的に子音表記であり、子ども以外はニグダーという母音記号を付けないから、これは外国人にとっては厄介だ。
だから、ヤハウェをエホバと間違って読んでしまっても仕方がないのかも知れない。
これを英語表記にすると、YHWHとなる。
たしかに、エホヴァと読みたくなるだろうな。
ちなみに、ユダヤ教ではこの名前を滅多なことでは使ってはいけないことになっているはずだ。 ヤハウェの代わりに、アドナイなどが使われると記憶している。
ヤハウェと叫ぶのは、絶体絶命の時だけなのだ。
ああ、これで最期か!という時にだけヤバイと使う。
20年くらい前までは、こうした使い方しかなかった。 つまり、非常にまずい時に使う言葉だった。
日本語の混沌が拡大し、デタラメ日本語が使われている現在。
ヤバイをピックアップする意味があるのかどうか、いささか疑問を感じた。