【こんにゃく物語】あまたの赤子養ひしをとこのつづきの話 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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いまはこんにゃく。
きなう述べししやむにて九人が赤子を養ひたるをとこのつづきの話なり。
かのをとこのなまへすぢやうかほくわいしやなどのよく知らるるところなれど、ひのもとにては明らかにせず。いはゆるべんちやあきぎやうなるくわいしやのちやうなるおほんざうしなり。
いま、あらたなる話を得し。
養ひしは九人にあらじ。
さらにやまとびとの三人ありて、かかる赤子ははやひのもとにあるらし。さらになほひとりも今はらむとなむ。
しやむにはだいりのははをきんづべき法なし。
されどじんしんのあきなひはきんずるものなり。

われ思ふに、かかることは昔より知らるるとおぼへけり。されどかのくににては、かつてはこがねしろがねおほければぶぎやうにみやげなどあたへ侍ればぶぎやうさくらしるしの見へぬになりしはにちぢやうなり。
されど先のくふでたにより、さくらしるしのわひろなどのとりしまりきびしうなりて、かかることも明らかになりしとこそ思はめ。
ひのもとにてはつはもの、すなはち兵はあしとする瓦版ぎやうしやもありけれど、かの国にてはわひろまやくてつはうなどのとりしまりをきびしうし、またかつあげさくらのそでのした、あるはけいゑいのわいろ場合によりてはいのちのやりとりさへこがねしろがねの重きかろきにてきまるることあるは知るもののしるところなり。

今かの国の、うらがね、きやうはく、ぴんはね、いひがかり、しやばだひ、みかぢめ、わひろ、まやく、ふほうなるてつはう、ひとのうりかひ、などなどのてきはつきびしうなりて、民のよろこびたることいひがだし。

このあまた赤子養ひたるも、かかる流れのなかにありしことならむとぞ語り伝へける。