【こんにゃく物語】九人の赤子を養ひたるをとこの話 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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いまはこんにゃく。
しやむに九人の赤子養ひたるをとこありけり。
せくわいにも知れるお大尽のたねなるに、そのこがねの二千億に下らじなる噂もありけり。
十日とあけづにしやむをおとなふらし。
をのこのきはめてお大尽なりせば、おのがじえつと蜻蛉もありてちよくちよくしやむに行くらし。
九人の赤子にはそれぞれめのともあり、わじんもまたゐるとなむ。
九人の赤子の父なりしといはれしも、そのかほかたちふぁらんとぞ。

まかふしぎたるなり。

かかるお大尽のなんじやうかかるをするや。

しやむにてもとよくに秋津の島にても、衆のさはぐはことわりなり。


かかるきみやうなる話ありけりとなむ語り伝へける。