面白い風俗として、占いがある。
何か事を始めようとするときには骨を焼いて吉凶を占い、古来伝え聞く令亀の法のようにその朴したところを告げるんだ。焼いた骨のひび割れの仕方で占うわけだな。
ああ、今に残る満州あたりの習俗にも似てるな。
さて、前のところで寝たり休んだりは老若男女は別々だといったが、集まりでは全く違うぞ。
父子も男女も関係なく一堂に会する。
まったくもって不思議だわな。我ら中原に住む徳ある人間とは違い、礼の序というものを知らないのだろう。父子が一緒に座るなどまったくもって原始人である!
ここの連中は、酒好きが多い。
大人たちは崇拝するものには、ただ手を打って跪いてお辞儀をする。
ああ、柏手を打って神社に参拝する、今の倭と同じやり方じゃろ。
倭人は長生きでな、8,90歳。いや100歳になるものもいる。
ああ、そんなことがあったな。秦の始皇帝をだまして日本にやってきたという徐福伝説には、確かに不老不死の国が東海にあるといっていたな。
美男美女ばかり集め、金銀財宝をたっぷりと始皇帝からくすねて日本にやってきたという話が。
始皇帝を操ったのは徐福だけだ。
実の父親も、形式上の父親も、息子の始皇帝にはかなわなかった。
そう考えれば、徐福は世界史に残るやり手だよ。
おっと、脇道にそれてしまった。
先を急ごう。
倭人は一夫多妻の生活をしている。
国の上層部は、みな4、5人の妻を持っている。
貧しい家でも、2、3人の妻がいる。
女は貞淑で、他人と浮気をしたり、別の女にやきもちを妬いたりしない。
はあ、そんなうらやましそうな顔をするな。
多いと、それなりに気を使わねばならんこともあっただろうさね。誕生日プレゼントも大変だったろう。
さらに驚くべきことに、盗みをすることはなく、訴えなどはほんとに少ないんだよ。
もし法を犯したなら、軽い場合には妻を没収されちまう。
重い場合には、一家親族が滅ぼされる。
身分、序列があって、それぞれに服すべきこともある。
年貢を納める蔵や、国ごとの市もある。
貿易も行っているが、これは連合王国・大倭の監督下にある。
まあ、いってみれば今の町単位の国ができており、この国々を総括して監督しているのが大倭、つまり女王国である邪馬台国と考えていいだろうな。だから、女王国とは言っても絶対ではない。
だから邪馬台国というのは、現在でも世界の連合国のトップとして女王を冠している、大英帝国のイングランドのようなものだと考えていいだろうさ。
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ほとんど棒読みだけど、こんな感じで進めていきます。
今日は1回だけで、全体の約1割にあたる1ページ分です。
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★蛇足
日本でイギリスというとひとつの国ですが、あちらの感覚では本国であるグレートブリテン島内だけをとってもいくつかの国の集合体です。たぶん。
少なくともスコットランドは、ほとんど別国でしょう。
国歌では、スコットランドは敵国扱いだった気がします。
その1国であるスコットランドの独立運動が、もうすぐ始まります。
これが本格的になると、スペインのビルバオあたりでもきな臭いことが起きそうです。
現在でも、イギリス連邦は強大だ(日本国土の約85倍)。
エリザベス女王を国家元首としたり、国歌や国旗がイギリスである国々(2014年現在)