さて、倭には面白い風習がある。
遠くの島や中国に行き来する際には、1人の特別な男を選ぶ。
この男は航海中には、髪の毛をすくことさえしてはいけない。
いや、虱がわいてもとっちゃならんし、着替えもダメだ。 肉を食ってはダメ。女に近づいてもダメ。
まあ、喪に服した感じだな。
これを持衰(じさい)と呼んでいる。
でな。もし海が荒れて船が難破したり、病人が出たりしたなら、この持衰が悪いということになって、殺されちまう。
はあ?罪人に対する以上のいじめだって?
いや、そうでもない。
航海が無事終われば、両手に花どころか、奴隷やお宝をたっぷりもらえた。
えっ?
うむうむ。いいところに気付いた。
そうだ。その通り。
これは古代ギリシャの風習だな。
比較的最近まで、持衰を型どった人形が舳先あたりについていた。
うん?そうそう。
タイタニックでも、デカプリオが女性を後ろから抱いている映像。
そう。あれも持衰を意味している。
まあ、西洋では女神が舳先についていたがな。
これは、海の神を鎮まらせるための儀式だよ。
その源をたどれば、ギリシャの先輩であるエジプトにたどり着く。
(インターネット画像より)
インターネット画像より;肩に巻き付けたスカーフにも宗教的意味がある。
これは、女性を女神になぞらえている。