安倍首相並びに小泉元首相に関して、出身地に田布施地区という名前が共通し、ともに朝鮮人被差別部落の出であるというようなファンタステックな話を知り、簡単ではありますがさらりと調べた結果のまとめです。
1;たぶせ(田伏、田布施など)は、あさま、たたらなどと同様古代普通名詞であり、たべ、たぶ、たばる、たびら、たぶちなどの類であり、特定の意味はない。
2;具体的には西日本の開墾地などに多く、現在でも鹿児島、熊本、大分、佐賀、山口、島根、京都、愛知、富山、新潟、茨城、埼玉、宮城などに、その名を残す地名がある。
3;山口県の田布施は非常に歴史があり、上皇、天皇、将軍に関する資料にも残っている。
(平安から、摂関家のひとつである、高位公家・三条家に深く関与)
4;鹿児島県の田布施も倭名抄にそれらしき記載のある古い村落であり、明治初の記録では30%が士族並びに卒、70%が平民である。
(多夫施神は、従五位下を賜っていたから、地方最高豪族のひとつだろう。地頭の権勢の凄まじさは、日本史上まれに見る強権の白河上皇でさえも、双六の目・鴨川の水・山法師ほどではないが苦労した豪族の子孫?)
5;山口・安倍家は少なくとも平安時代初頭には守に任官されており、宮城参内が可能な五位以上であった由緒ある家である。
6;鹿児島・鮫島家(小泉首相の先祖)は、鎌倉初期には地頭になっており以後代々地頭の家柄である(多夫施神=従五位下)。
以上のことから、安倍氏並びに小泉氏の出自に関する噂は誹謗中傷の類であり、根拠がないと判断できる。
なお、ひとこと言わせてもらえれば、そんなことにこだわっているのは随分とねじれていると感じた。
今の時代、出自がどうのこうのを言うのは、それこそ差別であろう。
ちなみに伝説では、私の母系の1000年以上昔の先祖の女性にも朝鮮人がいたようだから、こうしたどうしようもない考え方をすれば、私も朝鮮人ということになる。
まあ、伝説ですがね。