【小説】正義と平和の使者 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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なんという名誉だろうか。私は平和の使者として、A国に派遣された。
A国では、B派と少数派のC派に別れて宗教戦争をしている。
私はB派の陣地に行き、こう訴えた。
「武器を捨てなさい。あなた方が武器を持つから相手も武器を持つのです。ほら、私のように何も身につけずに……」


うん?
急にお腹が涼しいような気がした。

そのはずである。私のお腹にはポッカリ穴が空いていた。

ハッハッハッハッ。

……バタン







「人類はみな兄弟です。さあ、手に手を取り合って戦いを止めましょう。お隣にちょっかいを出すのは止めましょう。さあ、まずは食事です」
私は、蒸かしたての短型とうもろこし差し出した。


ダッダッダッ


「どうした?」
「はい。伍長殿。不審人物が手流弾を取りだしましたので、銃殺いたしました」
「手流弾?いや、こりゃとうもろこしだな。でも、まっ、いいか。よくやった。さて、とうもろこしでも食うか」






「私の右の頬をなぐってみてください」


私は、顔の形さえ見分けがつかない状態で埋葬されたらしい。