が、これには2つの嘘がある。
1つ目は、『魏志倭人伝』なる書物は無いということだ。
魏志倭人伝とは、例えば1000ページある本の1ページだけ切り取って、その1ページに書物の名前をつけてしまうようなものである。
この切り取られた本は、より正確には『三國志』のひとつ『魏志』だ。
そして、切り取られて『魏志倭人伝』なる書物のような名前をつけられているものは、その巻三十にある東夷伝の中の倭人について書かれた条である。
もう1つの嘘というのは、この書物の前に『魏略』があり、ここで簡単に倭(日本のことだろう)の位置や歴史について書かれていたであろうことが、『魏略』の逸文を載せた書物からうかがえるということだ。
さて、その倭人の話、いわゆる『魏志倭人伝』には、義務教育ではあまり教えないと思われる、興味深い記述がありご紹介しよう。
該当箇所

簡単に現代語訳してみる。
その集まりや座席などでは、父子男女差別はしない。
住民は酒好きである。
畏敬するものには、かしわ手を打ち膝まづく。
彼らは長生きで、百歳、あるいは八、九十歳まで生きる。
身分の高い者はみな四人から五人の妻を持つが、身分の低い者でも、二、三人の妻がいる。
ただし、淫らなことをしたり、やきもちを妬いたりはしない。
盗人はなく、訴えごとは少ない。
法を犯すと、軽い者は妻を没収する。また、重い罪をした場合には、その一家や親戚まで滅ぼす。
★蛇足だが、安土桃山時代や明治維新前後に訪れた西洋人たちは、ほとんどの人たちが、日本と日本人の人種差別をしない人間性、極めて清潔で健康的な生活、子どもを大切に扱う習慣、泥棒が少ないことなどに感銘を受けている。
が、義務教育では、なぜかそうした点は教えない。

ドクダミ。
うむ?なんか変だ。