たぶん首相という呼び方が正しいだろうし、将来は上級相と呼ぶことになるだろう。
しかしながら、おそらく現地でなら、リー2世とかリーJr.と言えば、成人の国民ならほぼ100%理解してもらえるだろう。
私が複数年に渡る海外駐在をすることになった頃、やっと彼は政界に入り、時々親父とともにテレビ映像にも映るようになっていた。
父の家とも言って過言ではない官邸は、年に1、2度一般人にも開放された。
赤道直下でも歩いて行ける場所に住んでいたから、私も一度入ったことがある。
狭い国土だが、まあ実質国王だから、庭でゴルフのできるものだった。
私の尊敬する先輩は、運転手付ではなく、つまり自分がハンドルを握ってそこに入れる、親戚を除けば世界的にもまずいないようなことができる方だった。
その当時のリー2世のイメージしかなかった私には、先ほどテレビ映像に映った彼は、全くの別人だった。
親父さんに負けない貫禄がついている。
いやあ、すごいもんだ。
レーシック手術でもしたのかな?
記憶違いでなければ、昔は星州的蜻蛉眼鏡をかけていた気がするが。
しかし、ずいぶん白いものが目立った。
私もジジイになるわけだ。
ついつい、私の人生で一番光っていた頃が思い出された。
あーあ、あの頃の一夜の飲み代は、今の一年分だぜ。
乾いた笑みを浮かべている自分がいる。
南米原産のアオイの仲間。
