若い人はベトナム戦争を知らないんだなあと、改めて時代の移り変わりを感じた。
そんな方々の一部には、日本が韓国や中華人民共和国と戦争をしたことがあるような、ひどい誤解をしている方もまれにはいるだろう。
なんかの笑い話で聞いたことがある。
ベトナム戦争の話からベトナムの首都に話題が移って、南が勝っていたならハノイが首都にはなり得ないと続く。
と、ある方がじゃあ、ホーチミンが首都になったのね?と言う。
いや、南が勝ったらホーチミンなどと言う町は存在しませんよ、と続いた。
が、ベトナム戦争を知らない世代にとっては、この意味を理解できなかったようだ。
サイゴンが首都になっても、ホーチミンが首都になるはずがない。
この意味を理解できなかったわけだ。
さて、話題を変えて雑学に移る。
ホーチミンとは人名から取った名前だ。
こうした町に人名をつけたものは、ソ連に多かった。
待てよ。ソ連も知らないかも知れない。
ソ連とは、ロシア、ウクライナ、カザフスタンなど、現在数十国々に分裂した国がひとつだったころにあった、ユーラシア大陸の国だ。
アメリカ合衆国と対峙する、当時は世界二大勢力のひとつだった。
ソ連には、レニングラード、スターリングラードなどに代表される人名をつけた名称の町が多くあった気がする。
現在では、ニコライエフクスのようなソ連以前の帝政ロシア時代に付けられた町名を除き、ほとんど消えてしまったのではなかろうか。
アメリカ合衆国にも、こうした人名由来の地名は多数存在する。
首都や州名のワシントン。、モンゴメリー、ランカスター……。サンフランシスコのように、語頭にサンがついたら、大半は人名だろう。
待て待て。だいたいにしてアメリカという名前自体、人名由来だ。
アメリカ大陸が、当時の西洋人にはまだ知られていない新大陸だと分かってきたころ、ある探検家兼広告業者である、アメリゴの名前からきたものだからだ。
カリブのサンサルバドルは、コロンブス(クリストファー・コロン)息子の名前じゃなかったっけ。
ウズベキスタン、キリバス、カンボジア、サンマリノ、ニカラグア、フィリピン、ボリビア、コロンビアあたりも人名由来と言ってよいだろう。
フィンランドみたいに、ずいぶん差別的表現が公式名称になっている国名もある(当該国では自国をスオメン・タサヴァルタ→略称スオミ)。
フィンランドの差別的表現で思い出したが、あと少しすると有名になるバスクも差別的表現だ。
日本にもある。いや、日本の旧地名の半分は人名由来と言っても過言ではないだろう。
最近の例では、豊田市あたりを挙げられる。
地名はひとつの文化遺産だ。
平成大合併は、日本の歴史・文化の一部を破壊したのである。
マムシグサ

ムサシアブミ
