もうすっかり日本になついてしまった、明治維新あたりから帰化した春の花もたくさんある。
ヒメジョオン(ヒメジオンではない)
1865年に観葉植物として輸入したらしい。
見たことがない人を探すのが難しいくらい、全国でみられる。
ハルジオン(ハルジョオンではない)
大正時代に輸入されたらしい。
これまた、ほとんどの地域で普通に見られる。

クスダマツメクサ?(コメツブツメクサなど類似多数)
1940年代に輸入されたらしい。

オオイヌノフグリ
日本に帰化したのは、なんと明治維新以降。
いまや全国で当たり前にみられる。
おかげで、古来のイヌノフグリはほとんど絶滅。
★PCの方は、ぜひクリック拡大をしてみてください。きっと驚きます。
カラシナ(セイヨウアブラナかもしれない)
明治維新以降の帰化植物。
うちの近くの河原ではこんな状況。

セイヨウタンポポの仲間 明治時代に帰化。
古来のカントウタンポポやシロバナタンポポを都会で見つけることは、大変難しくなってきた。
とは言え、古来のタンポポといっても『枕草子』などには出てこないので、それほど昔から日本にあったわけではなさそうだ。
ナガミヒナゲシ
1960年代に帰化
前々回述べたが、繁殖力は抜群。
なお、これでヘロインなどは作れないので、危ないケシではない。
ただし、ケシ科植物はだいたいが何らかの毒をもっているので、人によっては汁でかせる人もいると思われる。
ヘラオオバコ
明治維新前後に帰化。
市街地や港湾付近では、従来のオオバコよりよく見る。

ツボミオオバコ
明治維新前後に帰化。
私の勘では繁殖力はヘラオオバコほどは強くない。
一時かなり増えたが、最近近場ではむしろ減っている 。
いわゆる除染作業で急激に増える可能性もある。
ヤセウツボ
1930年代に帰化。
市街地ではあまり見ないが、クローバーなどが生える草地や空き地に群生していることが多い。
ヒメオドリコソウ
明治中期の帰化らしいが、オオイヌノフグリに負けないくらい、あちこちに見られる。
江戸以前にあった植物を在来種とすれば、市街地やその空き地・河原などでは在来種を見つけることのほうが、帰化植物をみつけるよりはるかに難しい。というか、大半は帰化植物だ。
意外なものが明治維新以降の帰化植物だったりする。
またそれは、すでに日本の風景の中に溶け込んでしまった。
逆に言えば、地方による植生の多様性がなくなり、わずかな種類の植物が地を覆う単調な風景となってきている。