予定時間を30分以上超えた会見であり、予想していたより上手に答えられていた。
特に最初のプレスリリース用作文は満点。さすが凄腕の弁護士の作るものは芸術的だと唸ってしまった。かつ、答弁も予想問答でのリハーサル通り、非常にうまく対応し、ぼかすべきポイントを的確にとらえていた。
これは素晴らしい。
今回の不服申し立ては、調査委員会、つまり論文についての不服であったにも拘わらず、一部マスコミの質問が的を射ていないのは予想通り。
今回の判断、つまりSTAP細胞の有無ではなく、私も疑問に感じていたプロトコルの質問はよかった。
確か、最後から7、8人目の質問者である女性で、15時07分くらいに質問した方の内容だ。
あれは厳しい質問であるし、他の記者がなぜ質問しないのかが疑問だった。
これに関しては、彼女はいささか欲のあるところを見抜かれただろう。
感情劇場になるのは分かっていたが、あの答えはいささかまずかったかな。
その他、名前を出せない1名の存在が吉と出るか、凶とでるか。
もうひとつ、危険な答えをしたのが、成功回数200回以上!
単純計算でも、3年間以上毎回だいたい成功していたことになりやしまいか。
そのためには、
①適正鼠性判断を、一瞬でできた。→その過程を示す実験記録は?
②適正鼠齢を一瞬で判断できた。→その過程を示す実験記録は?
③適正pHを短期間で発見した。→その過程を示す実験記録は?
④適正調整酸を短期間で発見した。→その過程を示す記録実験は?
⑤微細ピペットなどの分割での刺激でSTAP現象が生じる可能性を、早期に気付いていた。→その時期は?
⑥適正遠心分離回転数及び時間を、早期に発見した。 →その過程を示す実験記録は?
⑦適正培養温度を早期に発見した。 →その過程を示す実験記録は?
と、ここまでだけで、最低でも20冊や30冊のノートが必要ではないだろうか。
もちろん、これらをまとめたものだけなら1冊で十分だろうが、過程を示す、つまり試行錯誤のメモは、初期のSTAP細胞作りだけでこのくらいは最低必要だろう。
それが、ハーバードや東京女子医大時代を含め、提出2冊、現存4~5冊というのは、すべての実験がほとんど失敗せずに、数年前からSTAP細胞作成に成功していた計算になる。
成功例200回以上、さらにプロトコルに対する次回論文への色。
理研への印象などの受け答えは素晴らしかったが、ここは失敗だったろう。
また、過去の全ノート合わせても、数冊単位というのも。
しかし、思ったより楽しませてくれる劇場であった。
もちろん、電気泳動切り貼りが悪いという認識のなさが、自分の幼さなどとは信じていないが。
パスポートの髪型が気に入らないので、携帯で撮った写真を頭だけ切り貼りした。
でも、悪いことだなんて知りませんでした。みんなやってますよ。
まあ、そんな感じかな。
劇場は、次の幕に移る。

