ものすごいスピードで走る靴音が、背中の方から近づいてきた。
私を抜かし、5メートルほど先に行ったところで男が振り返り、一瞬私を見た。
が、2、3秒後には、彼はゆっくりと交番に戻って行ったのだった。
誰かと勘違いされたかな?
昔は何度かあった。
私の世代なら、アルカイダより有名なとある団体の人物と私が、どうも似ているようなのだ。
それはずいぶん大人になってから気づいたことだが。
わたしゃ、そんな腹の座った人間じゃあありませんがな。

(ラッキョウヤダケ)
また、勘違いされたのかなあ?
確かに似ているといえば似ているが。
最近は久しくなかった。
そういや昨年末あたりに、白黒ツートンカラーの車がしばらく後ろを護衛?してくださったことがあった。
喫茶店の中で、なにやら私の名前と同じ方の話を大声でなさる方々もいたなあ。
うーん。
推理小説の世界に入りそうな予感。
それより、そろそろ明日の飯だなあ。
