では、このポリネシア人はどこから来たのか?
その前に、やや詳しくポリネシアについて説明し、なぜ日本が【倭】と呼ばれていたのかを考えたいと思います。
最初に、ポリネシアと呼んでいる地域が、どれほど広大かを確認しましょう。
世界地図を広げてください。日本で発行している地図なら中央上の方に日本列島があるはずです。
ハワイは分かりますよね。日本列島とアメリカ大陸の、真ん中あたりにあります。
次はニュージーランド。これも分かるでしょう。オーストラリアの少し右、つまり東にありますよね。
次は、いささか分かりにくいかな。イースター島。モアイ像などで知られる、ギネスでは世界一孤独な島。世界地図では、オーストラリアと南アメリカ大陸の間、かなり南アメリカ大陸に近い方にあります。
さて、このハワイ、ニュージーランド、イースター島を結んでください。 ほぼ正三角形になったと思います。1辺は1万キロメートル近い。そんな、とんでもなく広い地域です。北アメリカ大陸や南アメリカ大陸全体より、いやアジアと呼ばれている地域全体より広い地域です。また、1万キロメートルといったなら、東京からなら北回りで北欧や北アメリカ、エジプト近くまで行ける距離です。
このとんでもなく広大なポリネシア。 しかも、ニュージーランドを除いて、小さな島しかなく、まさに大海原が広がるばかり。
特にイースター島など、周囲1000キロメートルに島らしい島はほとんどなく、世界一孤独な島とギネスブックに登録されています。
ところが、ここに信じられない事実があります。
この広大な海洋の中の島々で話されている言葉が、ほとんど同じであり、体つきもほとんど同じなのです。
彼らはなんと、私たち日本人同様モンゴロイドの仲間です。
さらに、信じられぬ事実である言葉の例を挙げましょう。
ポリネシア人たちは、自分の故郷を呼ぶ言葉の音が、ほぼ同じなのです。
ハワイならハワイイ。
タヒチではハヴァイイ。
クック諸島でアヴァイキ。
サモアでサヴァイイ。
アオテアロアでハワイキなどです。
これらに共通しているのが、【ヴァ】または【ワ】という音です。
私たちは、古代日本の名前が【わ】であり、それは漢など現在の中国にあった国々が、日本を馬鹿にした言い方(わ=倭=チビ助)と教えられています。
が、これは誤りで、当時の日本人自身が自国を【我が国】という意味で、【わ】とか【ヴァ】、あるいは【ハワ】とか呼んでいた可能性もあるわけです。
それを漢人などには【倭】と聞こえた。 そんな推理も成り立ちます。
なお、当時の日本人が、ハワイやニュージーランドあたりまでの地理さえ知っていたかも知れない記述が、三國志・魏志・東夷伝・倭人条、義務教育ではいわゆる『魏志倭人伝』と覚えさせられる史書にもあります。
それはだいたい、以下のようです。
女王国より南へ四千余里(注;およそ300キロメートルか?)行くと侏儒国があります。身長は三、四尺(注;1メートル程度)です。
また東南に船で1年のところには、裸国や黒歯国があります。

(左から3、4行目に注目)
どうですか?
倭人の空想にしても、船で1年のところにある裸人の国(島)。
なんとなく、ポリネシアンのイメージが湧きませんか?

ポリネシアの範囲(ピンクの点線で囲った三角形内)