いや、モーテルだ。
だって、コンドームの販売機とかあったし。
9時。
予定時間になっても、まだ数人の姿が見えない。
先生が腕時計ばかり見て、ひどく大声を出している。
15分遅れで、僕らはバスに乗り込んだ。
着いたのは、体育館みたいな建物だった。
壇上には、数人のおばあちゃんが椅子に座っている。
先生が言った。
「みんな。まずは土下座しろ!」
えっ?と僕は思った。
なんで?何もしてないのに、なぜ土下座しなくちゃならないんだ?
周りもざわついている。
僕は思い切って、大声を出した。
「なんでですか?理由もなくおかしいですよ」
現代社会の先生の顔が、真っ赤になった。
「俺たちの、つまり、お前の先祖がこのおばあちゃんたちに迷惑をかけた。土下座は当然だ!」
「言ってることが分かりません。万が一そんなことがあっても、高校生の僕らがなんで土下座する必要があるんですか?」
周りからパラパラと、しかし大きな拍手があった。
先生の顔が赤から青になり、ぶるぶると震え出した。
僕のK大学の推薦は消えたな。
そう思った。

★ある高校生の呟きを参考にさせていただきました。
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