【ちょっとは実話小説】★修学旅行★なぜ、土下座しなきゃいかんの? | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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汚いホテルだった。
いや、モーテルだ。
だって、コンドームの販売機とかあったし。


9時。
予定時間になっても、まだ数人の姿が見えない。
先生が腕時計ばかり見て、ひどく大声を出している。

15分遅れで、僕らはバスに乗り込んだ。


着いたのは、体育館みたいな建物だった。

壇上には、数人のおばあちゃんが椅子に座っている。


先生が言った。

「みんな。まずは土下座しろ!」

えっ?と僕は思った。

なんで?何もしてないのに、なぜ土下座しなくちゃならないんだ?

周りもざわついている。

僕は思い切って、大声を出した。

「なんでですか?理由もなくおかしいですよ」

現代社会の先生の顔が、真っ赤になった。

「俺たちの、つまり、お前の先祖がこのおばあちゃんたちに迷惑をかけた。土下座は当然だ!」


「言ってることが分かりません。万が一そんなことがあっても、高校生の僕らがなんで土下座する必要があるんですか?」


周りからパラパラと、しかし大きな拍手があった。

先生の顔が赤から青になり、ぶるぶると震え出した。





僕のK大学の推薦は消えたな。

そう思った。




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★ある高校生の呟きを参考にさせていただきました。