本記事は小説です。
一部エリート新聞社様におかれましては、史実と誤解なきよう、あらかじめお断りいたします。
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「さて、昨夜はどこまで話したかな?」
「えーとね。妄将軍が山賊1億人をこらしめて家来にしたとこ」
「そうじゃった、そうじゃった。そうこうしているうちにな、あの島国鬼が難金に攻めいった。なんと、7千人の鬼が、我ら仲間を30万人も虐殺しおった。全く、ひどいやつらだ」
「えっ?たった7千で30万人も?」
「おうよ。だから、その虐殺には3ヶ月もかかった」
「あのう、じゃあなんでその間に、無敵の妄将軍は助けに行かなかったの?」
「!……、うん?耳が遠なった。よく聞こえんかった」
「だから、銃・弾薬1万発を背負ったまま長江を30キロメートルを5時間で泳いだり、1日300キロメートルを行進できた妄将軍の軍隊なら、どこにいたってすぐ難金城に行けたよね。なのに、なぜ助けに行かなかったの?」
「うん?……なんだって?」
「だからなぜ、助けに行かなかったの?」
「おほん。そりゃ、坊主。いくら小島国の蟻より弱い鬼でも、たくさんいたらなかなか近づけない」
「えっ?たった、7千でしょ」
「ごほん、ごほん。い、いや、まちがった。7千ではなく7千万だ」
「えーっ!7千万っていったら、その頃の島国鬼全員。赤ちゃんも戦争に来たの?」
「ごほん、ごほん。坊主。だいぶ遅い。そろそろ寝なさい」
「えーっ!まだ、8時。昨日は9時だよ」
「いやいや、明後日から極寒時間に変わる。身体を慣らすためじゃ。早く寝ろ」
「うーーーん……。でも、もっと知りたい」
「いや、寝る子は伸びるという」
「でも、『疑ありて問わざるは、これまた疑』とも言われます」
「うむ?誰が言った?」
「はい。ボンジィです」
「ボンシ?盆氏……。うむうむ。確かにいたな」
「あれっ、じいちゃんはボンジィを知ってるの?」
「あれじゃろ、確か【春秋の曲者】だ。あてにならん」
「そうそう、【春や秋の草物】をよく写真に撮ってた。ふーん。凡爺はあてんなんないのか」
つづかない。