【外国人の見た日本】6 フランシスコ・ザビエル ① | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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さて、【外国人の見た日本】シリーズ、今回からはフランシスコ・ザビエルです。
ザビエルは、義務教育にも出てくるからご存知でしょう。
1549年に来日した、イエズス会のスペイン人伝道師。ただし、正しくはバスク人であり、彼の日本での感覚は、スペイン人というよりバスク人としての観察眼の賜物だ、と私は思っています。
ザビエルは、いわゆる聖人に列せられ、その布教者は聖パウロ以上とも言われています。


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日本というこの島国に来て、私が肌身をもって感じ明言できることは、次のようなことです。

まず最初に挙げるべきは、日本人というものは、これまでに発見された民族の中では最も優れており、異教徒としては、日本人に匹敵する人種はいないだろうということです。

彼らは礼儀正しく、概して善意に溢れ屈託がなく、驚くほど名誉心に富み、その名誉をこの世で最も大切にする民族です。
生活は概して貧しいのですが、階級の貴賤を問わず、貧困であることを少しも恥とは考えていません。
私が知る限りにおいて、彼らには、いかなるキリスト教徒にもない特質を備えています。
どういうことかと言うと、この国では貧しくとも相手が武士であれば、貧しい地主も裕福な庶民も、富豪に対するのと同じように敬意を払うのです。
武士はどんなに貧困にあえいでいても、たとえ相手が富豪の娘であろうと、自分の階級以外の妻をめとろうなどとは考えません。

それは、そうした行為により、自分の名誉が失われると考えるからです。

このことからも、彼らがいかなる財宝より名誉を重んじることは、お分かりいただけると思います。