世の中にはとんでもないぺてん師がいる。
例えばそれは、災害にあった方々に使うべきお金を騙し取るような輩である。
語弊ある表現を敢えて使わせていただけば、世間でいう広告の類いは、ほとんどが人間の心の弱さをついたぺてんだ。
まあ、これは私はあまり気にしない。本人が何らかの満足を得たいがためだろうから。
問題は、最初に挙げたような、善意を悪用して金なり財産なりを騙しとったり、生命までも危うくする輩の類いだ。
ところが、政治トップにあるものは、意外にこれに引っ掛かる。
あるいは、詐欺とわかりつつ、これを政治に利用する。
よく知られるのが、ルイセンコ理論を信じたか、信じたふりをして、数千万人、または億単位の犠牲者を出した共産圏主導者たちだ。
ソ連、中国、北朝鮮、カンボジア。
ルイセンコとは、ソ連アカデミーに属し、レーニン勲章を得た科学者だ。
つまり、共産圏においては神様級の人物だった。
多くの 科学者が彼の理論に反論を唱えたが、そうした学者や技術者たちは粛清(処刑)されるか、シベリアの極寒の地で強制労働を課せられている。
その1人には、運よく生き延びた、ノーベル賞受賞者のソルジェニチンもいる。
それは変だ、と言ったとしよう。
と、それは国への反抗と取られ、銃殺かシベリア行きとなる。
隣人が、いや親子でさえ、相手の言動を監視する、恐怖国家となる。
子が親の言動を密告し、即銃殺となる。
そんなこともあったようだ。
それを考えると、なんと日本の寛容なことか。
国内ばかりか海外に行ってまで、自国を非難する人たちが、逮捕されるわけでも、入国を拒否されるわけでもない。
ましてや、銃殺にはならない。
つづく