【真面目に研究】シリア | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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シリア付近については、かつて簡単に調べたことがある。
が、あまりに複雑で挫折している。


シリアは、今回のようなことがなかったなら、日本ではあまり知られていないであろう中東の国だ。

しかし、このシリアこそ、現在の世界を動かす何かが生まれた地域だ。

例えば、イエスはヘブライ語ではなく、当時の国際語である古いシリア語、つまりアラム語を話していたとも言われている。また、クリスマスは、当時のシリアの冬至祭りをコピーしたものだろう。

さらに、キリスト教の親であるヘブライ教(ユダヤ教)は、シリアと切っても切り離せない関係にある。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の諸派を含むいずれの宗教においても、神の次くらいに敬われる共通の人物がいる。


その名はアブラム、後のアブラハム(アブ=父、ラ=~の、ハム=人)だ。


上記の宗教は、すべてこのアブラハムに源を発している。

アブラハムの父であるテラは、メソポタミア南部の世界初の都市ウル(現在のイラク、バグダッドとバスラの間あたりにあった)に生まれ、多神教のウル文明の影響を強く持つであろう人物だった。

何らかの事情により、テラはユーフラテス川を遡ってハランに付き西を目指すが、ハランを出た直後に亡くなってしまう。

ハランは、今のシリア東部、イラクとの国境沿いにあったと思われる町で、歴史にはマリの名前で出てくるあたりのようだ。


父の旅を引き継いだのが、アブラハムである。

地形から見て、また旧約の記述からみて、彼はユーフラテスをさらに北西に遡り、現在のトルコ国境線に沿って西進。世界遺産にもなっている古代遺跡のあるアレッポに着く。

このあたりから、はるか西に海を見ながら南に進路を変えて、オロンテス川、ヨルダン渓谷を下り、現在のイスラエルに着いたはずだ。


旧約では、このアブラハムの息子がイザアク。
イザアクの子がヤコブ。
神が自分の子を殺せと命じたのが、このアブラハムに対してだ。
(神は直前に、イザアクを子羊にすり替えた→ヘブライが、子羊を生け贄にする由来話)



(ヤコブには家督を継げないはずだったが、父を騙して家督権を手に入れた)



また、このヤコブこそが、イスラエルという国名の元祖だ。

なぜなら、ヤコブは神と闘いをした者(イスラ・エル)だからだ。



なお、考え方によってはイザアクも家督を継ぐどころか、生まれてきたのも奇跡だった。

もし、イザアクがいないならば、家督を継ぐ者はイシュマエルのものであった。
このイシュマエルの系統が、イスラム教では正統なアブラハムの後継者と認識しているであろう。
なぜなら、アブラハムの最初の息子の母はアラブ人だからだ。


イスラエルの末っ子は、兄からいじめを受けるが、後にエジプトの大臣にまでなるヨゼフだ。

このあたりは、大国主の話に似ている。




この後は、ユダヤ人のエジプトでの生活と、十二部族(失われた十部族)の話にうつるが、シリアとは離れるので割愛する。

なお、このイスラエルの子にユダという男がいる。


それからおよそ1500~1800年後に、このユダの子孫からイエスが生まれた。

キリスト教信者がイエス・キリストとする男だ。

が、そのイエスは、やはりおなじ部族と思われるユダの密告で磔になったとされる。



ちなみに、ヘブライ教ではイエスはキリスト(メシア)ではない。

また、イスラム教では、イエスはアブラハムやマホメット同様、偉大なる預言者(注;予言者ではない。ヘブライ教、キリスト教、イスラム教では、予言者はあり得ないはず)である。

私の友人なども勘違いしていたりしたし、私自身も若い頃は知らなかったが、イスラム教においても、イエスはキリストではないが、偉大な聖人として尊敬されている。