江川上流には広島県の三次盆地があった。
ずいぶん昔の話になるが、このあたりで大きな水害があった気がする。
高気圧の張りだし方が変なので、同じ緯線上に雲が連なるから、同一地域に集中的に雨が降ってしまう。
特に今年の晩夏は顕著だ。
石見といったら、柿本人麿の終焉の地ではなかったろうか。
政変により流された歌の聖が、自らを水の中に身を投じた国だったろう。
聖の歌はあまりにも政治的過ぎる。
もっとも、義務教育ではそうした教え方はしないだろうが。
ひむがしの のにかぎろひの たつみへて かへりみすれば つきかたぶきぬ
蕪村の句と比較されるこの歌。
なんと生臭いことか。
危険な歌だ。
★新しい光が昇って来た。(私の慕っていた)月は、もう隠れるしか道がない。
同時に、彼自身の行く末さえ暗示しているだろう。
