黄泉の世界。
古事記を読んだ方ならご存知であろう。
後を振り返ってはならぬのである。なぜならそこには、目を覆いたくなる世界があるからだ。
一度振り返ったならば、それらを振り切るには霊現あらたかなる桃や櫛(奇し)を投げねばならない。
しかしながら、黄泉の瓜自体につつが虫が入りこんでいた場合には、対応は大きく異なる。
黄泉瓜のつつが虫が、実は最初からいたのか、徐々に増えてきたのを見極めるのは、非常難しい。
が、とにかく、今黄泉瓜の中でいろんな虫が動き出した。
亜藻は腐っているとしたのも、これに関与する。
しかし、何がどう動いているのかは見えない。
黄泉の派生語は闇でもある。
西瓜小玉を良しをるを、晩野につひて長ぞ寝む。食べ来てこぞは今日去んねぇ。
堤を越えて河流れ、田んぼの中の角界の、坂ら早しと常にをるらむ黄泉の瓜。