
エノコログサという名前を知らなくても、猫じゃらしという名前なら知っているし、その名前がついた草を思い出す方は多いに違いない。
そう、こんなやつだ。

エノコログサ
田舎ならば、今ごろはそこら中にあるだろう。都会でも公園や空き地で見ることができるだろう。
エノコログサの髪の毛は変化が大きく、緑色から紫、さらには金色のまで様々である。
しかしながら、その穂の変異は大変少ないように思える。
私はもうすぐ還暦を迎えるが、去年までに見た穂の変異は片手で余ってしまう。つまり、2、3本しか見た記憶がない。
ところが、今年の6月中旬から今日までに、すでに5本以上の穂の変異があるものを見つけている。
二股分岐型

クリスマスツリー型


ウィンナーソーセージ・タコの足型



このエノコログサの穂変異発見数増加に関しては、次の2つの可能性があるだろう。
①最近自由時間が増え、エノコログサをじっくり観察するようになったから、今まで気付かなかった変異を見つけられるようになった。
②なんらかの要因により、エノコログサの穂変異が増加した。
①の場合は、昔から変異はかなりあったと考えるものだ。
②の場合は、遺伝子などに影響を与える環境の変化が、比較的最近あったとするものだ。
残念ながら、これの結論は出せない。
なぜなら、過去の調査記録がないからだ。
だから、①か②の断定、あるいは推測はできない。
ただし、結果だけを記事にしたりすると、言葉には出していなくとも② を暗示、誘導することになる。
そうすると、その結果、推論に尾鰭がついて一人歩きを始めてしまう。
こうした記事を書く場合には、十分注意しなければなるまい。
が、インターネットに出てくる記事のいくつかは、意識的にかどうかは知らないが、一方からの見方しかしていない場合がある。
現在のある現象を見る場合、今だけを見て論ずると大きな誤り、または偏った見方となる場合がある。
つまり、過去はどうだったのか、あるいは別の地域ではどうなのかを把握しないと危険だということだ。
今回は、自省をこめて記事にしてみた。