
むかーし、むかし。
あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんはソトムと言い、おばあさんはホモラと言いました。
二人はお舟の中で履くワラ草履を作り、それを売って暮らしていました。
と、ある朝のことです。
川の神様である河豚が、おじいさんを食べてしまいました。
おばあさんがいなくなったおじいさんを探しに川岸に来たのを見て、やはり食べてしまいました。
これを見た人たちが言いました。
なんとひどいことを。
ところが、すぐ隣に住むハセヨじいさんがこう言いました。
舟は河豚の生活を脅かした。その舟で使うワラ草履を作っていたジジイ、ババアは罪人だ。
だから、これは川の神様である河豚の当然の行為、いや、神罰だと。
おじいさんおばあさんの親戚は、このハセヨ爺さんの言葉にみな反発しました。
が、ハセヨ爺さんから飴玉をもらっているみちゅちゅんと村の人たちは、みな困った顔をしただけで、内心笑っていました。
みちゅちゅんと村の人たちは、いつも人を食べるのは残酷なことです、絶対反対!とエラ危島の方まで出かけて叫んでいるのに、すごく変ですね。
飴玉をもらえなくなると、口が淋しくなるからでしょうか?

☆インカ