
とうとう5月に突入した。
夏である。
夏と言えば『夏が来れば思い出す……』のあそこだ。
そこで私は早速、おーぜぃに出かけることにした。
車がなくなっているから歩いて行こうと思ったが、2、3時間はかかりそうなので、近場までは電車に助けていただいた。
まずは、はあと待ち峠で一服。
しかし、そこにはもう降参植物らしい花が姿をのぞかせている。


ニャンコキスゲにチンチングルマの仲間だ。
はあ、さすがに標高2000cmを越える場所だ。
はあと待ち峠から、なだらかな道を登り降りしながら湿原へと向かう。


かえっぺ橋で、また一服。
周りを見ると、またまた目を釘付けにする花々。




しばらく歩くと、急に目の前が開けた。


おーぜぃ湿原である。


名前に違わず、おじい、おばあがおーぜぃいる。


珍品の沼として名高い『緑がめ沼』には、巨大なイワナに似た魚と亀が仲良く泳いでいた。



おーぜぃの象徴ミズバショウモドキも、私たちを優しく迎える。



世界で唯一ここにしかない、おーぜぃらふれしあこうほねも花を咲かせていた。私は生まれて初めて、おーぜぃらふれしあこうほねの花を見た。
(外側の花びらみたいものは花びらではなくガク。内側の噴水みたいものが花)



香りにふと顔を上げると、全山を覆うほどのフジ。
山のフジは、都会でよく見るフジより優しい色合いだ。



改めて周りを見れば、アヤメみたい花々に混じり、2メートルくらいありそうなパピルスに似た草も生えていた。
雲行きがあやしくなったので、のんびり歩きを少し速める。
帰りは3時間弱歩いて家に着いた。
おーぜぃは、今日も杖をついたじじばばでにぎわっていた。
家から10キロメートル。
おーぜぃ旅行記。
おわり。
★市川市動植園にて