【古歌研究】しれとこのみさきに | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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しれとこのみさきに

→美咲という女性が、長らく闘病生活をしているのであろう。床は擦れて白くなっているのである。






はまなすのさくころ

→これは「はもなしにさくころ」の誤記であろう。
薄暗い闘病生活のため日光に当たることも少なくなる。これによりビタミンDが不足しカルシウムも不足がちとなり、歯が弱くなって、ひとつ欠け、ふたつ欠けと、歯がなくなっていく描写である。










おもひだしておくれ

→[おも]はハングルのオムニ。つまり、母への呼びかけ。ただし、ここでは天の比喩であろう。 [ひだしておくれ]はそのまま。つまり、「日出しておくんなまし」との懇願である。
一説に[重いだし手遅れ]。つまり、症状が末期的であるとあり。







おれたちのことを

→[おれた]は「しおれた」のことで、品質などが下がること。ここでは赤血球数や、フェリシアン、アルブミンなどの値が下がること。
[ちのことを]。これも読んで字のごとし。「血のことを」である。

だからこれは、骨粗鬆症、ペラグラとともに、貧血を併発している記述である。







のんでわさいで

→かなり強い薬を飲まなければならず、その副作用で幻聴、幻視に悩まされている。








おかにのぼれば

→拘束服とともにベッドに縛りつけられたのであろう。ベッドを丘にたとえている。








はるかくなしりに

→[はかなくなりし]の誤記か? すべてがむなしく思えてくる様子。
一説に[張るか苦な尻]として、床擦れを恨む様子という解釈もある。







びゃくやはあける

→これも[びょうや]の誤記であろう。拘束されたまま、病室の夜が明けたという意味。
一説に[びゃくや]を[白屋]とし、病棟の比喩との解釈あり。







以上から考えると、この歌は、現実から離れて新天地を夢みる闘病日記とも言えよう。