【小説】和国文化の大革命 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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これは非合法組織である、神社組合の組長のおじいちゃんのおじいちゃんの、そのまたおじいちゃんが仕えていた神社の神主さんから聞いた話だということだ。

今年30歳を迎える、超高齢のじじさまがそう切り出した。




その昔はな、村々には必ず神社があって、なんかある時にはお参りに行っていたということだ。伝説では1000人もの人で賑わう神社もあったそうな。

1000人と言ったら、州全体の人数になってしまうから、まあ、これは眉唾だがの。

しかし、伝説では、昔の人の数は今の何倍もあったらしい。
中には、ハゲタカみたいに空を飛ぶ人もいたらしい。まあ、これはおとぎ話だが。

じゃが、とにかく神社には大勢の人が集まったそうだ。

みんな、こうしたお参りが好きだったし、子をつくる相手選びの場にもなっていた。


ふーん。

じゃあ、なんで神社が無くなったの?



いや、無くなったのではにい。
消し去られたのだよ。

新しい世界には、神はいらないとな。


海の向こうには大きな国があるらしいが、そこでも同じく、ホトケという神様の関係する建物は壊され、そうしたものを守ろうとした輩は砂漠の中で働かされたらしい。 なんでも、国の5人に1人がそうして命を失った。



じじさま。 砂漠ってなんだ?




ああ、説明不足だったな。
砂漠っていうのはな、今わしらの住んでいるような土地のことだ。

朝は凍えるが、一年中昼は太陽が照りつける。
昔の人は水を贅沢に使っていたから、こんな土地に来たらすぐ命を落とす。



えっ?水を贅沢に使うって、どういうこと?



うむ。それはわしにもよくわからんが、昔はよく天から水が落ちて来たらしい。
それを穴に貯めて、人がその中で遊んだらしい。
が、どんな遊びをしたのかは、わしもわからん。


じじさまは、時々へんなことを言う。


天から水が降る?


水は、大きな岩の下にあるものだ。こんな当たり前のことが、昔は通じなかったのだろうか。


しかし、昔の人は夢があったなあ。


ぼくなんか、天から水が落ちてくるなんて奇想天外な空想は、とてもできない。