歴史に詳しく、先日著書を出版されたブロガーさんが東北の古代シンポジウムに出られたそうだ。
その記事に遮光器土偶のことが書かれていたので、私の推論を書いてみよう。
遮光器とは、ウルトラマンのかけている眼鏡のようなものだ。
その奇妙な風貌から、地球に宇宙人が来た証拠だなどというマンガチックな説を唱える人もいる。
この類いの説は小説やお笑いとしては楽しいし、テレビの視聴率アップのためには役立つに違いない。
ただ、歴史を考えるときには話が変わる。
遮光器に関してはいくつかの推測ができるが、ここでは可能性の高い2つだけ述べてみたい。
ひとつ目は、冬場の雪の反射による網膜へのダメージを少なくする器具というものだ。
長い間雪原を歩いていたりすると、目が悪くなるのを古代人も経験的に知っていた。
とはいえ、冬山で狩りをするには雪原の中を行動しなければならない。
そんな中で苦心して得た製品かも知れない。
ふたつ目の推論は、雪原が広がる冬のみならず、狩りなどの際には常時付けていたというものだ。
これは自分で確かめることができが、目を細める、あるいは手のひらで目を覆い、少しだけ隙間を開ける。
こうすると、近視の人でもかなり遠くまで焦点が合う。
つまり、視力がアップした状態になる。
デジカメ世代の方には比喩が分からないかも知れないが、カメラの絞りである。まあ、F16かF32といったところか。
遮光器は、こうした役目があったのではなかろうか。
狩りの必需品だったのではなかろうか。
遮光器土偶は、ほとんどが破壊された状態で発見されている。
これは再生への願いだ。
完全なるものは人ではない。
不完全だからこそ人なのだ。
だから完全な姿で神にならずに、人として生まれかわって欲しい。
そんな願いとともに、あえて土偶の一部を壊して埋めたのだろう。