
昨日のことにて候。
討ち入り返り討ち公算・降参の強き打ち合わせの最中に、さる方の「いな、その日はダメにておじゃる。初詣にておはす故」と言ひ侍りけり。
で、はつとし候。
我もまた初詣・ご祈祷の予め参るを一と月前に奉り候と。
今朝はやや遅きに起き、禊、潔斎などしてお社へ参上す。
お社の近う、常はがらに空きたる銭取り牛車置場に列あり。あいや、さては参詣のあまたありやとぞ思ふ。
ご祈祷前の受付にありても長蛇の列なり。
参詣するご主神ごとに別々の取り札ありて、我が有難く頂きたるには壱弐参とあり。
小さなる雛のお社なれど、参道に座り、あるいは立ちてご祈祷を待つ人の波見ゆ。 その数およそ五百。ご祈祷受付は午前中のみなれど、けふの参詣者は千は下るまいぞ。
受付後に信者の有無を調べるあり。
巫女どのに訊き奉る。
「人のあまたあり。賢きかな」と。
「今年最も多き」
との返しあり。
野呂大神、隠降大神への参詣の多きにやあらむ。
畏れ多きことからや、口隠し、青ざめたるもあり。
有難きご祈祷の前に、お布施をば奉る。
布施するを待つこと、およそ半刻。けふは見習い巫女と思はるるもあちらにこちらに足早にておはす。
我が身の赤き命の元を献上し、我がみずはの滴るをば上げ奉る。
さて、これを今やつと終えて、後はご祈祷を待つのみ。
このままにては、昼のいひの後になりもうさんとぞ思ふ。
有難きご祈祷は、およそ瞬きの数十回ほどにて候。
二刻ほど並びて得たる、十息、二十息が間のご祈祷は、畏れ多くかしこみかしこみ聞き参らさん。
さらに後、ご祈祷の中身によりそのぜぜを奉り、さらに後、薬効あらたかなるをやはりぜぜ布施参りて、けふ一日は終らむとぞ。
※
美容院に似た名前のお社は、大繁盛です。