未来授業【中2社会】波動包と曙 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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現在の我々は、ここ火星において、年に2回も湯船に浸かれるという豊かな生活をおくっている。

しかし、我々の祖先がまだ地球に住んでいた太古においては、このような生活は夢のまた夢であった。

今宵は、この我らが星火星を生きた星にした、およそ25万年前の話からはじめよう。



当時の火星は、まだ大気はほとんどなく、極冠は氷で覆われ、









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赤道付近は、鉄鉱石と青酸の塊が広がる殺伐とした惑星だった。


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我々がここで永久に生活をするには、まず大気が必要であった。また、水も必須であった。


この2つを一気に解決へと導いたのが、波動包である。

ご存知のように波動包はガラス1枚や悪口ひとつでも効力は半減してしまう短所があるが、伝導体は不要であり、引力の影響を受けずに我々の住む宇宙空間を走ることができる。

しかも、原料は宇宙エネルギーであるから、ほとんど無尽蔵だ。


これを極冠に向けて発射し、その氷を溶かして氷の融解と水蒸気による大気圧の上昇を試みたのである。


宇宙歴紀元前2917年。

待望の波動包が極冠に向けて発射された。
軌道や複雑な計算はいらない。
だいたいの方角に手を当てれば、正確に狙った場所にたどり着く優れものである。


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これは、極冠に大きな衝撃波が発生したことを宇宙望遠鏡バルブパイプが捉えた、決定的瞬間の画像だ。



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爆心地付近には、なんだこりゃ観音の姿が現れた。


それから約2万後、爆心地にできたクレーターには青い湖が形成された。


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さらに約5万年後。
湖から流れ出た水がワジを作っていったのがわかる。


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そして3万年ほど昔から、シアノバクトンドンタケの繁殖力を利用し、現在は地苔類に覆われた緑豊かな惑星へと変化を遂げている。



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赤道付近ではまだ水分が不十分なため本格的な緑化は行われていないが、いくつかのギョットーフィサイロにおいて、継続的に緑化実験が行われている。



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なお、高緯度地方においては、民間窓口企業によるアパルトマンの開発も進んでおり、代用水カナート農業が盛んである。


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各所に、斑点レンガ屋根のウリコーミが見える。



あと、25万年後にはこんな授業が行われます。

受験生は、今からしっかり予習しておきましょう。




おわり






当然ながら、これは小説です。