放射性物質入門 ★やさしい理科 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。

放射性物質などというと難しそうですし、実際に難しい話も多いので簡単な話にしてしまいます。


この放射性物質や放射線に関して、スーパーにたとえて考えてみましょう。



放射性物質とは、お店に並ぶ品物の一部です。

それは魚であったり肉、野菜であったり、また貝やら刺身、漬物です。

とにかくいろいろあります。

サンマで考えてみましょう。
サンマと言っても、活魚もあれば缶詰めもあるし、焼いたものもあるでしょう。
このうちの、活魚が放射性物質にあたります。



別の言い方をすれば、焼き魚であろうが缶詰めであろうが、あるいは生きて泳いでいようが、総じてサンマです。


このサンマという名前に相当するのが、例えばセシウムです。

缶詰めのサンマは泳いだりはしません。 これを放射線を出さない、つまり放射能を持たないとします。

この放射能を持たないものがセシウム132。


一方、泳いでいるサンマはセシウム137としますか。こちらを放射性のあるセシウム。あっ。これは生きている魚には放射能があるという意味じゃないですよ。

自分で動く力を放射能にたとえての話です。


さて、魚はサンマだけではありません。
ドジョウやウナギもいるでしょう。これがストロンチウムやヨウ素。
中には大きな水槽でマグロを泳がせていたり、刺身にして並べているかも知れません。こっちはプルトニウムかな。




ところで、魚を数えるときには、普通1匹とか2匹と数えます。


これがベクレルです。

ですから、サンマ1匹も1ベクレル。マグロ1匹もまた1ベクレルです。


でも、これを同じ尺度で考えたら、なんか変ですよね。


だから、サンマは1匹で1人前。マグロは1匹で100人前と仮定します。

この仮定がシーベルトになります。


つまり、サンマなら1ベクレルで1シーベルト、マグロなら1ベクレルで100シーベルトなどとするわけです。


しかし、これにも問題があります。
サンマはすばしこくなかなか数えられなかったり、岩の間に隠れたり、あるいは数える人が疲れて、見逃したりします。

ガイガーカウンターは、そういう意味で、結構サボりが得意です。

面倒だから、写メにして数えるという方法もあります。これは半導体などを使って放射線量を推定するのに似ています。

この方法では、底にいる魚が上の魚の陰で見えなかったりもします。

家庭用の簡易放射線測定機器は、これが大半でしょう。

なお、マグロやサメなどは大き過ぎて写メには写りません。

また、食中毒をおこすボツリヌス菌がわんさか繁殖していても、分かりません。

いや、家庭用簡易測定機器では、カツオの写メを撮ってもサンマしか数えられませんから、魚は0匹。

つまり、0ベクレルとか0シーベルトという値になってしまいます。



ましてや、貝や海藻はどんなに活きがよくても判別できません。


家庭用でもやや高い機器なら、サンマとマグロくらいは計れるでしょう。

が、ボツリヌス菌や海藻はまず測れません。



だから、多くの家庭で測定しているものは、スーパーのサンマやイワシの数だけです。



そのあたりを知らないと、発表される数値に一喜一憂することになります。



例えば、サンマの数だけ比較して、隣の花屋よりこっちのスーパーのが活きがいい、などというわけの分からない議論になってしまいます。





でも、ニュースなどを見ると、そうした見方が大半に感じます。


なお多くの機器は魚は測れても、肉や果物は測れません。



まとめますと、多くの測定機器はスーパーのサンマの数を測っているだけであり、スーパー全体の魚はもちろん、肉や野菜果物を測っているわけではありません。

サンマが一番簡単に測れるからというのも、一つの理由でしょう。

肉、野菜果物まで測れる機器は、0が3つ4つ違うでしょう。